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今だからこそ、iPodの黎明期を振り返ってみる。

お買い物からお友達とのビデオ通話も片手間でできてしまう便利な時代となりました。なので、オンラインカジジャックポットランキングを眺めながら、お使いのスマートフォンから流れてくる音楽を楽しむ方も多いと思います。

みんな大好きな音楽。人は音楽と共に生きている、と言っても過言ではないでしょう。

コンサートに行くのもよいですが、昔テレビがなかった時代はラジオが唯一、家で音楽を聞く方法でした。更に、『蓄音機』の発明にはじまり、蓄音機を近代化したとも言えるべき『レコードプレーヤー』が開発されると『オーディオマニア』と呼ばれる『音楽愛好家』、いや、『音質愛好家』と呼ばれる人たちが生まれます。

そして、レコードから媒体はコンパクトディスク(通称:『CD』)に変わり、それと同時にカセットテープと呼ばれる映画のフィルムに似た小さな手のひらサイズの媒体に音楽を録音して聞くのが一般的になりました。

それと同時に『どうやって音楽を身近な存在にできるか』に考えがシフトし、機器の小型化への方向転換が実現しました。

そこで1980年代に発明されたのがSONYの『WALKMAN』です。

これは画期的な発明でした。これを持つことにより、音楽を聴く際には家にある巨大なオーディオ機器を使う必要がなく、ヘッドフォンを手のひらサイズの機械に差し込んで後は再生ボタンを押すだけでよくなったのです。

これと同時にコンピューター技術が格段と進化し、インターネットの一般家庭への普及もあり、後に『携帯音楽プレイヤー』と言う独自のカテゴリー扱いとなる、この技術も目まぐるしい進化を遂げて行く事となります。

そして、満を持して登場するのがApple社の『iPod』です。

ここから、皆さんがよく知る『歩きながら音楽を聴いたり、インターネットで調べものをする』日常に繋がっていきます。

ちょっと過去を振り返って、今、私たちが知る日常の原型となった『iPod』について少し勉強してみましょう。

iPodが発売された当時ってどうだったの?

そんな軽く名前を前述したiPodですが、なんとなく覚えている程度の方、実際に見たり手に取ったことはあるけど所有したことがない、という方も多いのではないでしょうか?

それもそのはず、iPodはたくさんの愛好家たちから惜しまれながら遂に販売終了となりました。

でも、それもそのはず。今はスマートフォンがあります。iPodに出来ることはスマートフォンでも出来る時代。売り上げ低下から打ち切りとなったというよりは、技術の進化により後発品に取って代わられた為にお役御免となった、と言った方が正しいかもしれませんね。

さて、そんな一時代の基盤を作り上げたiPodですが、一番最初に登場したのは・・・なんと、2001年とかなり歴史があります!しかし、発売された当時はApple社のPower Macのコンピューターと同期して聴きたい音楽を取り込む方法でした。しかし、当時はWindowsに比べるとMacのシェア率は低かったため、iPodは『学校や会社の誰かが持ってる不思議な機械』の認識しかありませんでした。それでも、実際に友達がもっているiPodを触らせてもらうと、『スクロールホイール』と呼ばれる画面をダイヤルの様に指を時計回りか反時計回りしながらカチカチと音を出し上下させる機能が、後にiPodの代名詞となります。

当時は、カセット版WALKMANの後継機であるDiscmanで、自分が好きなバンドのアルバムや『ミックステープ』の様な自分で好きな楽曲をまとめたCD-Rを聴きながら外を出歩くというのが一般的でした。

使用環境はかなり限られてしまうものの、iPodは音楽をデジタル化して管理することにより、カセットやCDなどの最大容量が小さい媒体(CD-Rの場合は20曲程度)に比べて、好きな楽曲を1,000曲もポケットに入れて持ち運べるのは人々の関心を引くまでには時間がかかりませんでした。

そして、市場のシェアが広まり始めると、遂には皆さまお待ちかね・・・Windowsにも対応化されます!

これで流行に乗り遅れなくて済む、と思っていた方達を余所目に・・実は、Windowsに対応し始めた頃は問題の嵐でした。

ソフトウェアが不安定で解決策がなかなか見つからなかったのか、当時はiPod本体とWindowsが同期せずに自分のパソコンに楽曲を取り込むとエラーが発生してiPodに送れない、という問題が大量発生します。しかも、それ以前に楽曲をiPodに入れる時に必要な専用ソフトである『iTunes』もWindowsからだとiPodを認識しないという問題も発生してしまいます。

人によってiPodに楽曲は入れられない、専用のプログラム自体がiPodを読み込めないなど、『ニワトリが先か卵が先か』の様な問題が発生し、かなりのユーザーが頭を悩ませることとなります。

事態をさらに悪化させるかの如く、発売当初はFireWire(ファイアワイア)と呼ばれるUSBに似たケーブルにしか対応していませんでした。前述の問題をクリアしたと思い込み、パソコンはiPodを認識し、画面にはちゃんとUSB経由で楽曲を送っている表示がされていたのにも関わらず、外でiPodを取り出して音楽を聞こうとしたら中身が空っぽだったということも起きるなど、七転び八起きの如く、なかなかポテンシャルを発揮できない日々が続きます。

iPodならぬiShuffle?

世界的に注目を浴び、発売当時は画面が白黒だったのがカラーになり、専用のフォーマットが施された映画やミュージックビデオを観ることが出来るようになり、さらには当時は10GBまでしかなかった容量も20GBや60GBに増えたりと市場を拡大するにつれて、アップデートされて行きました。

また、世界的に有名なバンドとコラボして専用カラーのiPodが同バンドの楽曲カタログ全曲をひとつにまとめたコレクションの割引コードが同封されるなど、携帯音楽プレイヤーの中心になりつつありました。

ただし、そんな順調に進化を遂げていたと思われたiPodですが、実は一つネックになることがありました。

それは本体価格です。

2001年に発売された当初から本体価格が47,800円と、かなりの高額品でした。そのため、流行に敏感な世界中にいるティーンエイジャーなどがお小遣いなどを貯めて簡単に買えたりする訳でもなく、iPodは手の届かない高嶺の花となります。

そこに可能性を感じた他者は、人気ポップアーティストの楽曲が1曲が入った差し込み型のディスクから音楽が聞けるキーホルダーくらいの大きさしかない携帯音楽プレイヤーを開発・発売します。それが子供騙しに見えたのか、iPodを欲しがった子供に対して「これ、同じでしょ?」と頼んでもないのに勝手に買って来た親以外からは見向きもされず市場から知らない間に撤退する羽目になってしまうのです

その事態をチャンスと思ったApple社は、液晶画面のないUSBスティックと同じサイズの『iPod Shuffle』を開発して、市場へと送り出します。容量も512MBと1GBと低容量ですが価格も1万円代をキープするなど、取りこぼしていた顧客層にアピールすることもできます。また、実物はUSBスティックなので軽く、さらには肩紐が付いているUSBのキャップに交換することができるので運動しながらでも好きな楽曲を聴け、今まで取りこぼしていた顧客層にもアピールすることに成功しました。

このiPod Shuffleですが、言いやすいのか巷では『iShuffle』と間違った名称で呼ばれ続けるなど、マーケティング戦略として大事な『人に商品を覚えてもらう』というクライテリアを完全に成功させた商品でもあります。

そして、次なる進化を遂げる?

安泰だからと言って同じ場所に留まっていては、企業としては成長を見込むことができません。また、世の中には星の数だけライバル企業がいたり、技術の革新は寝ている間にも起きるため、新しい製品を出したからといって良い気になってはいけないのです。

その最たるものが『iPhone』です。

実は、このiPhoneは携帯電話の常識を変える期待の新製品として発売したのにも関わらず、既に時代遅れだったのをご存知ですか?

iPhoneが出たと同時にモバイルネットワークは3Gネットワークの開発が完了しており、当時はこれがモバイルネットワークの未来でした。

そこで満を持して登場したはずだったのに、登場と同時に発想は新しいけど使っている技術は既に古いもの、と言うことが判明したために急いで『iPhone 3G』を世に出すことになります。その後、iPhone 4が発売されますが、その時は『左手で持つと電話ができなくなる』という欠陥が判明。新しい技術を開発するのは踏んだり蹴ったり、ということが見受けられます。

しかし、問題点だけにクローズアップするのではなく、当時の日本では『ガラケー』が隆盛を極めており、また海外では手のひらサイズより小さいスライド式、さらにはキーボードが付いており『超小型コンピューター』とも呼べるとなっている携帯電話が主流の時代に『タッチパネルで文字を打てて、画面をスライドできる』と、産業としては一旦完成し、新しい方角に向き始めていた携帯電話産業が次に進むべき道を決定づけました。

そして、ここで得たノウハウを還元して生まれたのが『iPod Touch』です。

出来上がった製品を見てみると『電話のかけれないiPhone』という中途半端な製品でした。そのために、「電話が掛けられない以外、機能はすべて同じなので最初からiPhoneを買ったほうが早い」と言う評判がまたたくまに市場で出回ってしまう始末。

そこで、このコンセプトを再利用したのが『iPad』と言えるでしょう。そして、そこからiPadが失った分の市場を挽回していくのは皆さんもご存知通りです。

まとめ

今となっては手のひらサイズのデバイスで音楽を聴く、と言うのはあたり前となっています。しかし、そこまでに至るには技術者たち、マーケティングの人たち、市場の動向、など様々の人々や外部的要素を含めた苦悩がありました。

人は新しいものを使い始めると次第に使い方を覚え、「ここは、こうした方がいいんじゃないかな?」と思ったり「これ、ああいう感じだったら使いやすいんじゃないかな?」と改善点を自然に見つけるものです。

そこから『自分が考えた最高の機械』という理想のデバイスに近いものが生まれます。

最初は音楽を聴くにしてもコンサート会場へといく必要があり、家で聴きたいと思ったらレコードを買う必要があり、レコードを買えない人のためにラジオで聴けるようになりました。そんな具合に、技術の進化は努力の結晶が見当違いなものであったとしても、そこまでに至る努力が人と音楽を結びつける絆となることがあるのです。